おいしいチェリーのいただきかた☆
  
 
「あたしとエッチしたい?」
 
「そ、それはできたら……したいところだけど、僕にはやっぱり無理そうだし……」
 
 
「なんでっ! 小宮だってやればきでるよっ! こないだはいきなりハードル高すぎたんだよね、うん!」
 
あたしはすっくと立ち上がって言った。
 
メソメソした気持ちは既に吹き飛んでた。
 
 
 
「小宮、そのままじゃ脱・チェリーどころか、一生彼女もできないよ! あたしがなんとかしたげる!」
 
 
 
 
「え?」
 
 
キョトン、とあたしを見上げる小宮。
 
あたしは小宮の手を取って立ち上がらせた。
 
 
 
 
「小宮がちゃんとエッチできるように手伝ったげる! だ~いじょうぶ! 要は慣れだよ、慣れ。女の子にゆっくり慣れてけばいいんだよ!」
 
にこっと勇気付けるように笑うと、じっとあたしを見つめる小宮。
 
それからまた優しく目を細めた。
 
 
 
  
時たま小宮はこういう顔をする。
 
優しく見守るような、温かい目。
 
心の奥が微かに疼いた。
 
 
 
 
  
 
 
お父さんって、こんな感じなのかな――
 
 
 
 
 
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