おいしいチェリーのいただきかた☆
  
「えと、僕、どうしたら……」
 
「キス、してみようよ」
 
「ええっ! あ……う……」 
 
 
またオロオロしだす小宮。
 
いきなりキスは厳しいかもしんないけど、チャンスがあればできるだけチャレンジしとかないとね。
 
 
 
「こ、こんなところで、なんて……」
 
「周りに誰もいないじゃん」
 
 
 
ちゃんとそれは確認済み。
 
この公園、学校と商店街の間の大通りを、少しはずれた所にある。
 
夕食時は遊ぶ子供もいないのだ。
 
 
 
「無理だよ……。手を繋ぐのもやっとなのに」
 
気恥ずかしさが戻ってきたのか、小宮はあたしから目を逸らして言った。
 
繋いだ手から微かな震えが伝わってくる。
 
あたしはもっと小宮を奮い立たせるべく、強く言った。
 
 
 
「これは小宮のやる気テストだよ? あたしからしてもいいんだけど、『これから頑張ります!』って意志を見せて欲しいんだよね」 
 
 
  
「う……テスト……なの?」
 
「うん。あたしのコトがイヤじゃないっていう証明。逃げたりしたら、拗ねちゃうよ?」
 
 
まだちょっとネに持ってたりして。ホテルでのコト。
 
 
痛いトコロを突かれた小宮は、ぐっと唇を引き結んだ。
 
 
それから、長い、ながぁ~い間の後に。
 
  
 
 
 
 
「……分かりました……」
 
 
 
 
よぉーし、それでこそ男のコだ!
 
 
さぁ、いっちょこーい!!
 
 
すっと目を閉じて待つ。
 
 
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