おいしいチェリーのいただきかた☆
叫び出したい衝動を抑えつつ、ひたすら待った。
ひたすら。
ひたすら。
ひたすら……。
………………。
はぁ……。やっぱダメかな?
諦めて肩を落とす。
半分予想通りだけど。
いくら待っても、柔らかい感触は落ちてこなかったのだ。
薄っすら目を開けてみると、あたしの目の前でカキーンと固まってる小宮がいた。
「……………………」
顔は真っ赤から真っ白に変貌し、ピクリとも動かない。
つん、と指先で突付いてみたらば、グラッと体が傾いて。
そのまま後ろにバターン。
…………。
なるほど。そうきたか。
カラスの鳴き声が、白けた空気をカァーと突き抜ける。
ナイス夕焼け空。
その日、再び小宮が目を覚ますまで、一時間待ちぼうけを食らわされたのだった。