おいしいチェリーのいただきかた☆
「へぇ……やるじゃん、小宮」
あたしの後ろから、麻美が小宮に意味不明な賞賛を送る。
小宮は一瞬、キョトンとあたしの背後に目を向けた後、照れたように微笑んだ。
なんだ? このやり取り。
目をぱちくりさせて小宮と麻美を交互に見る。
その時、ポケットの携帯が震えた。
「あ、メールだ」
スカートから携帯を取り出し、画面をさっと確認。
イツキからだ。
『今夜みんなで踊りに行く。比奈もこいよ。その後はナオんチで飲みだけど、お前はジュースでいいからさ。クラブに集合!』
うへー。飲みがあるのか。
踊りは好きだけどお酒は好きじゃないんだよね、あたし。
それを知ってるからイツキは『ジュースでいい』って言ってくれてるんだけど。
男の子ってみんなワルイんだからなーもう。
お酒はハタチになってから、ですよー。
でもあたしが止めたげないと、どこまでも調子に乗る奴らなのでイエスの返事を送る。
しょうがない奴らだよ。
そんなバカなところも結構好きなんだけどね。