おいしいチェリーのいただきかた☆
「……? なんか知んねーけど、やたらアイツを庇ってねぇか比奈?」
「えっ!? べ、別に庇ってなんか……。友達だもん」
それよりイツキこそ、なんでそこまで言うんだか。
イツキって、優等生嫌いなトコあるんだよね。
あーいう輩、ってやたら使いたがるし。
そんなに優等生を一括りにしなくてもいいと思うんだけどな。
「イツキー! 次のヤツ一緒にやらね?」
ナオに声をかけられ、「おう!」と立ち上がるイツキ。
あたしはまだ休むつもりでゆっくりカルピスを飲んだ。
イツキはすぐに向かうかと思いきや、立ち上がったままあたしを振り向いた。
何か言いたさげに、じっと見つめてくる。
「ん? なに?」
「いや……」
それから前に向き直るイツキ。
去り際、ボソッと声を落としてきた。
「あんまりハマるなよ、比奈」
へ? 何に?
問い返す間もなく去ってく背中。
ステージ中央へと、光の中に溶けていく。
あたしはハテナ顔でその背中を見つめ、
「なんなんだろ今日は……」
そう、呟くしかなかったのだった。