おいしいチェリーのいただきかた☆
純情少年教育中
  
 
「ん~……。どうしようかなぁ~……」
 
 
 
金曜の夕方。
 
自分の部屋のベッドの上でごろごろしながら、あたしは明日のデートの計画を練っていた。
 
考えながらシャーペンを指で回す。
 
くるっとキレイに一回転。あたし、コレ結構得意。
 
続けて何度もくるっ、くるっ。段々楽しくなってきた。
 
よし、今度は連続技で……。
 
 
 
「比奈ー」
 
 
 
「あひゃっ!」
 
 
手元が狂って、飛んだシャーペンが宙を一回転し、顔にべしっと当たった。
 
うわ。めっちゃマヌケ。
 
 
「なにやってるの……」
 
 
突然の訪問客はママだった。今日もビシッとメイクが決まってる、美人で自慢のママ。
 
慌てて身を起こし、ごまかし笑いを浮かべた。
 
 
「えへ。ちょっと指先の訓練」
 
「……まぁ、見なかったことにしといてあげるわ」
  
 
呆れた風に言われてアイタタタ。
 
 
 
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