おいしいチェリーのいただきかた☆
「ひ、比奈さんっ。ま、周りに……人が……」
ホント、瞬間湯沸かし器みたい。もう真っ赤だ、小宮の顔。
「そりゃ公園だからいるよ~。気にしない気にしない」
温かい手をにぎにぎしながら言う。
指先までガチガチに緊張してるのが分かる。
「自分から握れる?」
「……そんなの……」
声まで弱々しくなってく小宮。
うーん。いかにも無理っぽい。
「やっぱ、『手を繋ぐ』はレベル2ってところだね~。まぁ引っ込めなくなっただけマシかな」
こないだはちゃんと握り合えたんだけど。他のことに気を取られてれば大丈夫ってコトなのかな?
「じゃあ次は『見つめあう』いこっか」
「う……まさかこれ、全部試していくの……?」
「もっちろん!」
「後半……キス、とかって、あるんだけど……」
恥ずかしそうにノートに目をやりながら言う小宮。
「それはこないだ気絶されたから、もういいよ。できそうなヤツだけ、ね?」
安心させるように優しく返す。小宮は「良かった……」と肩を落とした。
「じゃ、こっちを向いて」
「いっ!?」
再び凍りつく小宮の横顔。さっきから百面相みたいで面白ーい。