おいしいチェリーのいただきかた☆
  
 
「はぁ~……改まってやると全然ダメだね小宮……」
 
 
あたしは諦めて小宮の顔から手を放した。
 
 
「ごめん……」
 
「別に謝らなくてもいいんだけどね……『見つめあう』はレベル1、っと」
 
ノートを手繰り寄せてメモを書き込む。
 
ふぅ……道のりは思ったより遠そう。
 
「それじゃ、次の項目、『肩を寄せ合う』、いこっか」
 
「まだやるの? もう、全部レベル1でいいから終わりにしようよ……」
 
「ダーメ。さ、やってみるよ?」
 
嫌がる小宮の意見は却下して、すすっと横にずれ、距離を詰めた。
 
「~~~~っ」
 
途端、緊張でまた息を詰める小宮。
 
真っ赤な顔で俯いて硬直。なんて分かりやすい反応なんだか。
 
 
肩に肩をトンッ、とぶつけた。
 
予想通りビクンッと跳ね上がる肩。
 
 
面白い。
 
 
トンッ
 
 
ビクッ
 
 
トンッ
 
 
ビクッ
 
 
あたし、なんかウキウキしてきてる?
 
  
 
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