おいしいチェリーのいただきかた☆
真昼間のカラオケBOXは、空いてていいカンジだった。
聴くに耐えないダミ声が扉の隙間から漏れたてたりだとか、そういうのがない。
あれってテンション下がるよね、デートで来た場合。
笑いを取ってるやつならいいんだけど。
BOXのひとつに入って適当に数曲歌う。
小宮も少ない知識の中から記憶を手繰り寄せ、どうにか一曲歌った。
どらえもんのオープニング。
大丈夫! 普段音楽聴かない人って、昔のアニメに走るものなんだよ!
ドンマイ小宮! 落ち込まないで!
「オタクだとか思ってないから!」
「それって絶対思ってるよね……」
いじける小宮に拍手を送ってタンバリンも鳴らす。
逆にやりすぎ?
「まぁまぁ、選曲はともかくいい声してたよ小宮。ハイ、お茶でもどうぞ」
うん、小宮の声はなかなか良かった。ちょっと高めでセクシーな声。
『大きなのっぽの古時計』とか歌って欲しい。