課長、ちゃんとしてください。
「仕事、しましょう!

課長、まだ終わってないんですよね?

あたし、半分もらいます!」






だって、このまま課長と話していたら、あたしはどうにかなってしまいそうだ。




見せてはいけない顔を、してしまうに違いない。





あたしは両手を広げて、「仕事ください」と課長に迫った。





課長は目をぱちくりさせたあと、困ったように目尻を下げ、首を傾げる。






「………あべちゃーん。

どうして君は、そんなに、がんばっちゃうのかな〜?」





「………?」






課長の言いたいことが理解できなくて、あたしは眉をひそめた。






「がんばり屋さんなのはー、とぉってもいいことだけど〜。

がんばりすぎは、だめだよ〜?」






課長はそう言って、あたしの手の平をぺんぺん、と叩いた。






< 122 / 222 >

この作品をシェア

pagetop