課長、ちゃんとしてください。
「なぁんで、自分のこと、そんなふうに言っちゃうかなぁ〜?


真面目にがんばれるっていうのはー、ものすごぉい才能なの。

あべちゃんはねぇ、すごい子なの〜。


俺はねー、あべちゃんのこと、今までのお仕事ぶりを見て、とぉっても頼りにしてるんだよ〜?」







課長の唇がふんわりと微笑みを形づくっていて、その目尻に寄った小さな笑い皺がすごく優しかった。







「あべちゃんだってー、俺に気に入られたいからがんばってるわけじゃ、ないよね〜?


………もしかして、誰かに、そんなふうに言われちゃったの〜?

それで急に、そんなこと気にしだしちゃったの〜?」






「………いえ、別に、そういうわけでは………」







口ではそう言ったけど、あたしの顔は、勝手にくしゃりとゆがんでしまった。







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