課長、ちゃんとしてください。
―――そんなつもりは、まったくなかったんだけど。



課長には、あたしの姿が、そういうふうに映っていたのか。





そのことが驚きだった。





今まで誰もが、家族だって、自分だって、あたしのことを、『相手の気持ちも考えずに、言いたいことをずけずけ言う、口の悪い人間』と言っていたのに。






やっぱり、課長は宇宙人だ。




あたしたち地球人とは違う感覚で、世界を、あたしを見ているとしか思えない。






「………ねぇ、あべちゃん」







ぼんやりと課長の顔を見上げていたら、課長が小首を傾げて小さく言った。







「我慢しちゃだめだよ?

思ったことは、なんでも言っていいんだから。


ほかの人には言いにくいなら、せめて俺には……。

俺にはいつでも、言いたいこと言ってほしいな~」






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