課長、ちゃんとしてください。
*
アパートに着いて、あたしは着替えもせずにノートパソコンの電源を入れた。
立ちあがるまでの間に部屋着に着替えて、インターネットに接続する。
なぜかって、どうやら、病気の疑いがあるからだ。
さっき課長と二人でいたときの自分の身体の変調を思い出しつつ、キーボードをかたかたと叩く。
『動悸 息切れ 赤面』
―――検索。
あたしはごくりを唾を飲み込み、検索結果の画面に釘付けになった。
予想通り、心臓病の症状について列挙するホームページがずらりと並んだ。
………ちがう、そんなわけない。
あたしは年に二回の人間ドックを欠かさないし、心臓に疾患などあるわけないのだ。