課長、ちゃんとしてください。







アパートに着いて、あたしは着替えもせずにノートパソコンの電源を入れた。



立ちあがるまでの間に部屋着に着替えて、インターネットに接続する。





なぜかって、どうやら、病気の疑いがあるからだ。





さっき課長と二人でいたときの自分の身体の変調を思い出しつつ、キーボードをかたかたと叩く。






『動悸 息切れ 赤面』





―――検索。





あたしはごくりを唾を飲み込み、検索結果の画面に釘付けになった。





予想通り、心臓病の症状について列挙するホームページがずらりと並んだ。






………ちがう、そんなわけない。




あたしは年に二回の人間ドックを欠かさないし、心臓に疾患などあるわけないのだ。





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