課長、ちゃんとしてください。
集合場所についたけど、もちろんまだ誰も来ていない。




ぼんやりと周囲を見渡していると、隣から無遠慮な視線を感じた。






「………なんですか、課長」





「いやぁ、あべちゃんの私服、初めてみるから〜」





「はぁ………そりゃそうですよね」






課長を見ると、ものすごくにやにやしている。






「………だから、なんですか」





「いやぁ、うふふ〜」






課長はあたしの頭の先から足の先までを見て、気味の悪い笑い声を洩らす。






「かぁわいいな〜と思って〜」





「…………は?」






あたしは眉をひそめて課長を見た。





………けど、必死につくった表情とは裏腹に、なぜか心臓はばくばくといいだす。





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