課長、ちゃんとしてください。
でも課長は、「そっか〜」と気にしたふうもなく頷いた。






「まぁ、人間そーゆーこともあるよね〜」






理由もなく人に物をなげつけることなんてあるとは思えないけど、課長はあたしに気をつかってくれているのだろう。






「そんなことよりさ〜、一発芸、おつかれさまでした〜」





「あ、はい………」





「うまく行ってよかったね〜」






あたしはこくりと頷き、顔をあげて課長を見た。





穏やかな微笑があたしに向けられている。






「課長のおかげです。

ありがとうございます」






「あはは〜、照れちゃう♡」






ふふっと笑った顔を見て、心臓の鼓動が早まった。





どうやら、もう、認めざるを得ない。





あたしは………








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