課長、ちゃんとしてください。









「課長。お仕事中、失礼いたします」






「おーぅ、あべちゃ~ん。やっほ~」







―――気の抜けた声、とぼけた表情。



あたしの前でデスクにゆったりと腰かけ、頭の上で手を組んでへらへらと笑っている人物。





彼は、あたしの直属の上司である、五十嵐課長。







「どした~ぁ? なんかあった~?」







見ての通り、緊張感のカケラもない、ふざけきった人物だ。






なぜだか嬉しそうに首を傾げて見上げてくる課長のデスクに、あたしはあるものをばさりとを載せた。




午後の会議で配布する予定の資料だ。







「重大なミスを、5か所見つけました。

早急に、修正の指示を出すべきです」






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