課長、ちゃんとしてください。
かこーん、とまた鹿威しの音。




それと同じくらい気の抜けたような顔で、課長がぼそぼそと言う。






「………ちょ、ちょっと待って〜。


ごめんね〜、えーとぉ………。


きゅ、急展開すぎて、俺、ついていけてないなぁ〜………」






そのまま課長は庭のほうに視線を向けて、頬に手を当てていた。




その頬が少し赤らんでいるように見えるのは、きっとあたしの気のせいではないと思う。






「あの、課長」





「………ん〜?」





「あたしは課長のことが好きなんですが、課長はあたしのこと、好きではありませんか?」






ちょっと訊き方が直接的すぎたかもしれない。




でも、あたしは婉曲的な言い回しなど苦手なので、こういう訊き方しか思いつかなかった。







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