課長、ちゃんとしてください。
「いいじゃないの~」






「なんですか、その奇妙なアクセントは?」






「え~、あべちゃん知らないの~?

2014年の流行語大賞とったのに~」






「知りません」






「あいかわらずクールだなぁ、あべちゃんってばー」







課長が両手でわしっと頭を撫でてきた。




あたしは眉をひそめて、「セクハラですよ、やめてください」とアドバイスする。





課長は「ごめんちゃ~い」と言ってぱっと手を離し、首を傾げて笑うと、少しだけ真剣そうな声になった。







「………たまには部下にランチでもおごってあげたいな、っていう上司の小さな希望を、聞き入れてくれると、俺はとっても嬉しいんだけどな~」








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