課長、ちゃんとしてください。
課長、いい加減にしてください







お昼を知らせるチャイムの音。





課長は鞄を持ってあたしの隣に立つと、「さぁて~、行こうかにゃ~」とふざけた口調で言った。






ツッコミたいのを必死で堪えつつ、あたしは無言で立ちあがる。





オフィスを出ようとしたところで、連れだって歩くあたしたちに気づいた山口さんが声をかけてきた。







「あれ、課長、阿部さんとランチですか」





「そうだよ~ん」





「珍しいですね」





「へっへ〜、やっとのことで、口説き落としたんだな~」





「なっ、ちょ、やめてください課長」






人聞きの悪い言い方をされて、あたしは課長を軽く睨む。





課長は「冗談だよ~ん」と笑った。






その隣で、あたしは呆れ返る。




冗談なんて、なんの意味があって言うんだろう?




あたしには心底わからない。




昔からよく「冗談の通じない奴だ」と言われてきたけど、別に冗談なんか通じなくても何も問題ないと思う。





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