課長、ちゃんとしてください。
「会議の資料〜?

ミスって、なになに〜?」






「………ミスのあった箇所には、全て付箋をつけてあります」






「ほうほう、分かりやすーい。

さっすが、あべちゃんだねえ〜」







課長はにこにこしながら、あたしが付箋をつけたページをぱらぱら確認していった。






課長がすぐに訂正の指示を三上さんに出すのを予想して、あたしは『手が空いているので手伝います』と言う準備をしていた、んだけど。







「ふむふむ~?

『A、B、Cの潤で増加していく』……『潤』ではなく『順』の間違い……


あー、なぁるへそ~。

こういうミスねぇ、ただの誤字だねえー。


んじゃ、別にこのままで大丈夫だよ〜」







驚いたことに課長は、ぱたりと資料を閉じ、にっこりとそう言ったのだ。






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