課長、ちゃんとしてください。
――――ぺちん。






突然の軽い衝撃に、あたしは目を上げた。





課長が、人差し指で、あたしの額を弾いたのだ。




「うははっ、でこぴーん」と課長は笑った。




そして、すっと目を細めて。







「こぉら~、あべちゃーん?


まーた、悪いほうに、悪いほうに、考えてないかーい?」







「…………」







「お顔が暗いぞ~?

そんな顔してたら、幸せが逃げちゃうんだぞ~?」








課長が頬杖をつき、くすくすと笑った。







「俺が、良くなかったって言ったはねー?

もちろん、三上さんに対してってゆーのもあるんだけどー。


あべちゃんにとってもねぇ、あんまり良くなかったって、言いたかったんだよね~」







「―――あたしにとっても、ですか?」







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