課長、ちゃんとしてください。
意外だな、というのが一番の感想だった。




課長のイメージは、仕事に対する姿勢が適当で、誰に対してもちゃらんぽらんで、という惨憺たるものだったけど。





どうやら、あたしが思っていた以上に、課長はみんなのことをよく見ていて、みんなの気持ちをよく理解しているらしい。




自分の考えにも固執してしまい、周りが見えなくなるあたしとは、正反対だ。







「………課長って、そんなにテキトーでもないんですね………」







あたしが思わず小さく呟くと、課長が「え? なぁに?」と首を傾げた。







「いえ……貴重なアドバイス、ありがとうございました。

お気遣いを頂いてしまって………どうお礼を申し上げたらいいか」







あたしがぺこりと頭を下げると、課長がへらりと笑う。







「うはは〜、どうも〜。


お礼はほっぺにチュウでいいよ〜?」







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