課長、ちゃんとしてください。
ーーーーーーはっ!?
ほっ、ほっぺに、ちゅ、ちゅ………!?
あたしは目を見開いて、まじまじと課長の顔を凝視した。
お得意の冗談かと思ったけど、課長はにこにこしながら、あたしの方に頬を差し出し、「ここによろしくー♡」と指で示している。
「……はっ、な、なに言ってるんですか!
正気ですか!?」
あたしが勢いこんで訊ねると、課長は「うっそーん♪」と両手を挙げた。
「さすがにねぇ、それはセクハラだよねぇ〜。
俺もまだクビにはなりたくないからねー」
「……………」
「あらあらー、あべちゃんたら、真っ赤になっちゃって〜。
かぁーわいーなぁ♡」
「………課長、いい加減にしてください………」
あたしは項垂れて、席を立った。
………一瞬でも課長のことを見直したあたしが馬鹿だった。
やっぱりこの人は、ちゃらんぽらんのおふざけ男だ。