課長、ちゃんとしてください。
課長、ちゃんと仕事してください
*
「………えー、みなさーん。
お忙しいところ、ごめーんね~。
ちょおっと、お仕事の手を止めてもらっていいですか~?」
課長の呑気な声がオフィスに響き渡ると、皆がいっせいに顔を上げた。
「課長、どうしたんですか?」
「何かあったんですか?」
口々に声を上げる部下たちを、へらりとした笑顔で見回し、課長が「実はね~あのね~」と勿体ぶった口調で言う。
「みなさんに~、大事なご報告がー、あるので~す」
「えっ、なんですか!?」
「まさか、結婚とかですか!?」
「いやいや、それはありえないっしょ」
みんなは好き勝手にそんなことを言い合っている。
その様子を、課長がうふふと嬉しそうに笑いながら眺めていた。
そして、ぴん、と人差し指を立てて、宣言したことには。