課長、ちゃんとしてください。
さすがに驚いているみんなの間を、課長がすいすいと回りはじめた。






「のぐっちゃーん、こんなの、後でいいよ~!

こっちも、監査おわってからゆっくりやればいーって~」






「あ……はい」





「原っち~、それ、そんな丁寧にやる必要ないよぉ!

監査の人たち、そんなとこまでどーせ見ないってば~」





「そ、そうですかね……?」





「だいじょぶ、だいじょぶ~。俺を信じなさ~い。

三上さーん、それねー、後回し後回し!」





「あ、いいですか後回しで?」





「いいよぉ、そんなのー、あとでちゃちゃっとやっちゃえば~。

川瀬くんもそれ、いらないいらな~い!」






「あっ、はい」





そんな調子で、課長は次々と、みんなの仕事を緊急のものとそうでないものに振り分けていった。







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