課長、ちゃんとしてください。
あたしは慌てて画面を両手で隠した。






「なぁに~!? なぁんで隠すのさー、あべちゃーん!!」





「いっ、いえ、まだ完全じゃないので、お見せ出来る状態では………」





「いいじゃないの~」





「だめです! あたしの性格上、中途半端なものを人にさらすわけには………」






必死で言い訳をするあたしを、課長は怪訝そうに見つめてくる。





でも、これは、川瀬さんから頼まれた分だ。



もし課長に見られたら、さすがに気まずい結果になる………。






ぶんぶんと首を振るあたしを見て、課長がふーっと溜め息を洩らした。







「しょーがないなあ。

『だめよ~、だめだめ』って言ってくれたら、見ないでいてあげよ~」






「え……っ」






< 67 / 222 >

この作品をシェア

pagetop