課長、ちゃんとしてください。
冗談を間に受けて、間抜けなイントネーションを再現しようとしてしまったことに、図らずも顔が赤くなってしまう。





あたしは顔を伏せて、頭をなでなでと撫ですさる手から逃れた。






「………課長、ふざけないでください。


あたしは仕事に戻ります」






「えぇ〜、そんな〜。

俺、あべちゃんとお話するの大好きなのにーぃ。


ねぇねぇ、仕事なんかほっぽって、オジサンとイイコトしよーよ〜♡」







課長がへらへら笑いながら、訳の分からないことを言い出した。





あたしはじろりと睨みつけて、即座に拒否する。






「嫌です、仕事します。


それに何なんですか、いいことって」







< 70 / 222 >

この作品をシェア

pagetop