課長、ちゃんとしてください。
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一時間ほどで、なんとか今日の分の仕事を終えた。
ちらりと視線を向けると、課長は椅子の背もたれに身体を預けつつ、パソコンの画面を凝視している。
あたしは席を立ち、課長のデスクの隣に立った。
「………課長、まだ終わらないんですか」
「んー? もーちょっとかな〜」
「何が残っててるんですか」
「んーとね〜、今日の出張の報告書とー、あとは慰安旅行の案内づくりかな〜」
その言葉に、あたしは目を見張る。
「………旅行の幹事、課長がやってるんですか?」
「ん〜? まぁね〜」
課長は当然のように答えた。