課長、ちゃんとしてください。
一時間もしないうちに、案内状づくりから印刷まで終わらせた。





課長はにっこりと笑い、「さっすがあべちゃん」と手を叩く。






「仕事が早いねーぇ。

助かったよー、ありがとー」






「いえ……じゃ、お先に失礼します」






バッグを持って部屋を出ようとすると、課長が慌てた様子であたしを呼び止めた。






「待ってー、あと10分待って!」





「え………」





「一緒に帰ろーよー。あべちゃんみたいな可愛い子が、こんな時間に一人で帰っちゃ危ないぞ〜」






あたしは客観的に見て、危ない目に遭うようなタイプじゃないんだけど。





有無を言わせぬ課長の勢いに負けて、あたしは椅子に座って待つことにした。






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