課長、ちゃんとしてください。
あたしは顔を背けて、都会の明るい闇にこやかで目を凝らす。





もうすぐ日付も変わるというのに、周りにはたくさんの人が歩いていて、街灯も店の看板もきらきらと輝いている。





ぼんやりとそれらを眺めながら歩いていると、課長が隣から手を伸ばしてきた。





驚いているうちに、また、頭を撫でられる。






「………あべちゃんはね〜、無理しすぎちゃうとこがあるよね〜」






見上げると、課長が目を細めてあたしを見つめていた。







「他の人の仕事でもねー、頼まれたら断れないしね〜。

あべちゃんはねー、きちんと時間配分してお仕事する子だからね〜、ほんとはこんなに遅くまで残業しなきゃならないはずないもんね〜。


急に誰かに頼まれちゃったから、遅くまで頑張ってたんでしょ〜?」







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