課長、ちゃんとしてください。
課長がうふふと気味の悪い笑い声を洩らしながら、ぐっと顔を近づけてきた。




そして、何を言うのかと思えば。







「ん~、いいね~、かぁーわいいね~。

おにんぎょさんみたいだな~。

抱きしめたくなっちゃうな~。

食べちゃいた~い♡」








―――だっ、だき、抱き……!?



た、食べ………!?








「………ば、馬鹿なんですか?」








上司に対して失礼なのを承知のうえで、あたしはそう言った。




公衆の面前で「抱きしめたい」だなんて、頭がどうかしているとしか思えない。







「え~、だって、本心だも~ん♪


ん~、かわいいものが見れたから、今日はオシゴトがんばれるぞ~☆」






「………仕事は毎日がんばるものです」







まったく、不可思議な人だ。






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