王子様にご注意を。



「未妃、今日も疲れてるね(笑)」



今日も可愛い笑顔の柚。



柚はあたしの天使だ……



「すっごい睨まれるし、早く席替えしたいよ…」


「まあまあ〜、案外良い人かもよ?話してみれば♩」


「無理…」


「ええ〜?仲良くなれるかもじゃん!ね?天真くん?」


「ん?何?」



柚め……天使だと思ってたら小悪魔だった…!




「未妃と仲良くなりたいよね?」


「もちろん、爽乃さんと仲良くなりたいなと思ってるよ」


「何故」


「う〜ん、興味があるから?」


「あたしはない。」


「僕は有るんだけど…」


「ん〜…じゃあ1つ言っていい?」


「何?」


「その、マクドナルドの店員みたいなスマイルやめて」











「…は?」







何か凄い間があったけど、ずっと引っかかってる事、やっと言えた…

しかも目の前の天真涼の顔が間抜け過ぎて面白い(笑)



「もっと素顔で居ればいいのに、凄いもったいないんじゃない?猫かぶってて楽しいわけ?理解できないんだよね…天真さんのその営業スマイル」


「…ぷっ、天真くん、気付かれてんじゃん(笑)」


前の席ではまるで前から知っていたかのように大爆笑する柚。


隣には目を見開いてあたしを見る天真涼。



何この光景……(笑)






「とにかく、それ辞めてね。寒気するし」



「…んだよ、鈍感な奴かと思ってたのに、案外鋭いんじゃん?」






…アレ、言葉遣いが荒い???






まさかそこまで作ってたなんて思ってなかったからちょっと動揺した…




「ま、これからは素でいくから、よろしくな?未妃」



「…何で呼び捨てすんのよ!」



「仲良くなるにはやっぱ形からだろ?」



「何の形よ!!!!」



『は〜い、みんな席ついてるか〜?日直号令〜』






先生が教室に入ってきて、話は切り上げられた。






ああ〜…あたしの平凡な日常がどんどん壊される…(泣)




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