王子様にご注意を。



「ふ〜ん、北条さんと爽乃さんって幼稚園から仲いいんだ?」


「そう!未妃とは家が近くて、常に一緒に居るの〜♩」


「仲良しでいいね〜」



爽乃は北条と俺が話してる間ずっと、読書していて、話に入ろうともして来なかった。


ただ言えることは、本を読む姿がまさに美女。



茶色のサラサラロングの髪の毛。目が悪いのかさっきまで掛けていなかった黒縁メガネを掛けている。
メガネを掛けていてもわかるパッチリ2重の黒目がちな瞳。窓際ということもあり、光が差し込んでいて睫毛が目の下に影を作るほど長い。
ぷるんとした乾燥知らずな薄いピンク色の唇。


時折メガネをくいっと上げる仕草がすげえ様になってんだよな…


なんて、ずっと爽乃を見てたら


「天真くん天真くん」


小声で北条に話し掛けられる。



「ん?」


「未妃ってね?自分の容姿に全く気づいて無いの。周りの男子の目線なんて、1つも気づいて無いんだよ」


「えっ…結構規模のデカいファンクラブも確かあったよね?」


「そ。けど誰も告白しないじゃない?抜け駆けは許さないってルールがあるみたい。だから何も気づいて無いのよ…」


「危険な子なんだね…」


「そうなの…それと……私の前では、キャラ作んなくてもいいよ?疲れるんじゃない?その王子キャラ(笑)」


「……何時から気付いてたんだ?」


「う〜ん…結構前?」



北条柚…結構すごいヤツなのかも…


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