(続編)キスより先なんてさせない
それからめずらしく俺のクラスは、静かだった。

多分、俺が怒鳴ったからに違いない?

確かに皆に八つ当たりしたかもしれない……

でも、真実かどうか分からないくせに周りにごちゃごちゃ言われたくない。

それに陽菜の事、よくも分からないくせに悪口言うんじゃねぇぞ。

俺は、1番それが腹立った。

昼休みになって俺は、陽菜のクラスに行こうとした。

「小林、ちょっといいか? 」

杉本……

「何だよ? こんな所に呼び出したりして」

俺は、杉本に屋上に呼び出された。

本当は、分かってるのにわざとこんな言い方した。

「本当は、分かってるくせに。とにかく日々野さんは、俺が貰ったからな。昨日、俺日々野さんとキスしたしな。それに日々野さんも俺にキスして来たしな。だからいい加減、別れろよ」

そんな事ぐらい分かってる。

俺だってちゃんとケジメつけてるんだよ……

それなのにごちゃごちゃ言うなよ。

「それぐらい分かってる。俺だって今日、陽菜と別れる事にする。それでいいんだろ? その代り陽菜を幸せにしないと俺が奪うからな」

俺は、言った。

「小林って結構、話分かるじゃん。ああ、そうだよ。幸せとか言うけど、日々野さんは俺と居て充分幸せだと思うけど? 」

何だ、この男?

自分がカッコ良いからって自意識過剰すぎないか?

それにムカツク……

陽菜をそんな風に扱いされたくない……

やっぱこいつに陽菜を渡したくない……

「やっぱお前に陽菜は、渡さない。それにちょっとお前、ちょっとその性格直した方がいいんじゃねぇか。とにかくお前には、陽菜は幸せに出来ない。だから陽菜は、俺が幸せにする」

「小林って生意気だな。俺のどこが性格直せって? 性格もいいし、顔もいいし最高じゃん。それに小林の方が幸せに出来ないんじゃない? 俺の方が金も持ってるし、何でも出来る。それに比べてお前なんか何も出来ない。だからお前に日比野さんは、ふさわしくない」

ほんとムカツク……

確かに俺は、何も出来ない……

でも、俺にだって陽菜のために出来る事だってある。

確かに俺に陽菜は、ふさわしくない。

でも、俺は陽菜が好きだから……

陽菜じゃないとダメなんだよ……
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