（続編）キスより先なんてさせない

「いや、貰えるか分からない……陽菜、怒らせたし……」

俺は、しょげた声で言った。

「怒らせたのか……まぁ、よくある事だよな。健太と日々野さんってよくケンカするじゃん。でも、すぐ仲直り出来るし多分、仲直り出来るって。それに日々野さんが怒ったのも俺、分かるし」

「おう、そうだよな。星也、ありがとな。俺、必ず陽菜と仲直りし見せる」

俺がそう言うと星也は、「おう、頑張れ」と言った。

放課後―

俺は、陽菜のクラスに行った。

だけど、また陽菜は居なかった。

「陽菜は？　」

俺は、可奈ちゃんに聞いた。

「健太君。今、陽菜ちょっとトイレ行ってるんだけどすごい機嫌悪いから慎重に行った方がいいよ。機嫌悪いのは、健太君が他の女の子からチョコいっぱい貰ってるだけじゃないよ。ちゃんと他にも理由があるから。でも、今はそれは言えない。私は、知ってるけど……」

他に理由がある？

可奈ちゃんは、知ってる。

それに言えないって？

「それは、分かってるけど言えない事情って？　どうしても言えないの？　」

「ごめん……一応、陽菜に口止めされてるし。それにこれは、すっごく大事な話なの。だから陽菜が言うまで待ってあげて。一言で済む話じゃないの」

可奈ちゃんは、深刻そうな表情をして言った。

すっごく大事な話？

「そっか……分かった。可奈ちゃん、ありがとう。俺、ちゃんと陽菜の話聞いて見るよ」

俺は、そう言ってトイレの前で陽菜を待ってた。

すると陽菜が出てきた。

俺は、陽菜を見てビックリした。

だって目が赤くなってて泣き止んだ顔してたから……

きっと俺のせいだろうな……

陽菜、ごめん……

俺が悪かったんだよな。

「陽菜、話があるから。一緒に帰ろう」

俺がそう言っても陽菜は、俺を無視してスタスタ歩き始めた。

「待てって。俺に言ってない大事な話、あるんだろ？　」

俺は、陽菜の腕を掴んでそう言った。