(続編)キスより先なんてさせない
「あっ、小林君。日々野さん、寝ちゃったのね。私、これから用事あるから薬飲ましてあげてね。先生には、ちゃんと行っとくから」

保健室の先生が俺に薬と水が入ったコップを渡した。

「はい」

俺は、それを受け取った。

「あっ、くれぐれも保健室では変な事しないでね」

保健室の先生がニヤニヤした表情で言った。

俺は、その言葉を聞いて顔が赤くなった。

変な事って言われると想像しちゃうじゃん。

「しません」

俺は、キッパリ言った。

「まぁ、寝てる子には手出さないわよね。じゃあ、後は宜しくね」

保健室の先生は、そう言って去った。

薬を飲ませって言われても陽菜、寝てるしな……

起きてからでいいよな?

「ん……」

陽菜は、熱で魘されてた。

俺は、そんな陽菜をずっと見てた。

可愛いな……

そんな事、思う俺って変態じゃん。

俺は、さっき言われた保健室の先生の言葉を思い出した。

俺が変な事、する訳ないじゃん。

でも……

俺は、陽菜の寝顔を見た。

可愛い寝顔……

柔らかい髪……

顔を真っ赤で柔らかい頬……

ふっくらした唇……

誰もがキスしたいと思う。

絶対陽菜、1人だったら襲われてるな。

俺が居てよかった……

キスしたいなぁ……

って俺、何変な事考えてるんだ。

さっき保健室の先生に言われてしないって言ったじゃん。

でも、やっぱキスしたい……

だって一度も陽菜とキスした事、ないから……

いつも陽菜がダメって言うから……
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