(続編)キスより先なんてさせない
「うん、おはよう」

陽菜も俺に笑顔を返してくれた。

やっぱ陽菜の笑顔は、可愛いな……

陽菜の笑顔を見てると安心する……

陽菜と学校行くのが最後って思うと寂しくなった。

別れたくない……

ついそう思ってしまう……

でも、ちゃんと最後ぐらいはしっかり笑わないとな。

だから放課後、陽菜にちゃんと言う。

“別れよう”って。

本当は、辛いけど……

でも、仕方ないから……

陽菜がそう望んでるから……

陽菜から言われるのが辛いから……

だから俺から言おうと思った。

精一杯、最後に陽菜に優しくして……

「健太、どうしたの? 」

考え事、している俺に陽菜が問いかけた。

「何でもないよ。それよりほんと体調、良くなってよかったな」

俺は、笑顔で言った。

「何か今日の健太、変だよ。何かあったの? 」

陽菜が心配そうに聞く。

頼むから俺に優しくするなよ……

最後に……

俺の事なんか心配するなよ……

心配されたら嬉しいって思うだろ。

「何でもないよ。ただ、陽菜が体調良くなってくれて嬉しかったから」

「そっか。なら良かった」

陽菜は、笑顔で言った。

やっぱ陽菜の笑顔は、俺に取って必要だな……

でも、この笑顔を見るのも最後かもしれないんだよな……

俺の隣でそう笑ってくれるのは……

ヤバイ……

そう考えたら泣きそう……

俺は、涙を流さないように必死に歯を食いしばった。
< 9 / 23 >

この作品をシェア

pagetop