先生、近づいても、いいですか。







「おいお前ら、そんなとこで立ち話すんな。


他のお客さんの邪魔になるから、早く列に並べー」





「は~い」






修学旅行初日。




集合場所は、新幹線の改札口近くにあるピロティ。




みんな大きな旅行バッグを抱えて、これから始まる修学旅行への期待で興奮した様子です。





すこし浮ついた生徒たちを、先生がたが必死で静め、一般客の邪魔にならないように並ばせています。




早めについた私は、もうクラスの列の中に並んで座っていて、ぼうっと周りを見ていました。






「ねぇねぇ、春川さん」






後ろの日高さんにつんつんと背中を突つかれ、私は振り向きました。






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