先生、近づいても、いいですか。







新幹線に2時間半ほど揺られると、京都駅に到着しました。





新幹線の中では、みんな楽しそうにおしゃべりしながら、お菓子を交換したりしていました。





私はクラスで一番仲の良い大塚さんと隣どうしで座って、ときどき話をしたりしていましたが、



マイペースな大塚さんがうとうとし始めた後は、文庫本を取り出して読書をしていました。





京都駅の改札を出て、クラスごとに貸切バスに乗ります。





バスが待っている場所に向かう途中で、生徒たちを見守る藤森先生に会いました。




浮き足立った様子で広がってゆっくり歩く生徒たちに、先生はいつもの口調で、






「早くしろー、後ろ詰まってるぞー」






と声をかけていました。





< 148 / 265 >

この作品をシェア

pagetop