先生、近づいても、いいですか。

「お前ー、なんだそのスカートは！　

短かすぎるぞ！」





先生は生徒指導の先生なので、服装には厳しいのです。




女の子は「いったーい」と頭を押さえながらも、嬉しそうに笑っています。



みんな、先生から怒られるのが好きみたいです。





「えー、短くないもーん！」




「短いっつーの！　すぐ戻せ」




「えー？」




「ぶっとい足を公衆の面前でさらすな、公害だ！」




「せんせーひどーい！　人権侵害だ！」




「ばーか、お前らに人権なんかあるかー」





先生は、女の子を蹴る素振りをします。



周りで見ていた生徒たちが、どっと笑いました。





先生はちょっぴり口が悪いのですが、いつもその目は優しげに微笑んでいて、

口に出す強い言葉が本心ではないことが、ちゃんと顔に書いてあるので、みんなは先生の暴言を嫌がったりしないのです。