夫婦ですが何か?
だけども・・・。
「っーーーーーー!!!」
「おおっ、・・・大きかったねぇ・・はは、」
「わ、笑い、笑いごとじゃあ・・・っ・・・」
カーテンをしていてもはっきりとわかった雷光とほぼ同時に鳴り響いた雷鳴。
窓が反響してガタガタいってその大きさを明確にする。
当然冷静でいられない愛しき彼女様は反射神経しっかりと俺にしがみついて小刻みに震えて。
そんな彼女に俺ときたらさっきから欲が疼いて仕方ないのに。
何の拷問だ?これ。
「千麻ちゃん・・・とりあえず、リビング入ろうよ」
「・・っ・・うう・・もう嫌だぁ・・・」
めっちゃ・・・、
めっちゃ可愛いぃーーーーーー!!
あまりの恐怖に敬語外れてるし!
涙目だし!!
見てこれ!!しっかり俺の服掴んで張り付いて・・・・、
えっ?誰!?
その位に可愛いんですけどぉ?!
何に対してか思わず彼女が見えない位置でのガッツポーズ。
俺からしてみれば雷神様様だ。
なんとか俺の体からその身を離した彼女を促し、軽く体を支えながら電気の煌々としたリビングに戻っていく。
中に入れば彼女が包まっていたのか、ソファーの前の床にタオルケットがぐしゃりとしていて。
テーブルの上には音に焦って倒したらしきペットボトルと無残に広がった炭酸水。
「あーあ、・・・らしくない部屋が出来上がってるねぇ」
「仕方な・・仕方ないじゃないですか!?怖かったんですって!!」
「はいはい、恐いからって俺にキレちゃやーよ?」
「っーーーはい、・・ごめ・ん・・」
一瞬は反論しようとしたのか、口を開きかけたのに留まって、もどかしげに表情に苦悶を乗せてから下を向いた彼女。
でもすぐに俺の服の裾をきゅっと摘まむと敬語なしの謝罪の言葉。
千麻ちゃんから敬語が消えている・・・。
これって結構弱っている証拠だ。
ってかさ、ってかさぁ・・・。
この裾、キュッて・・・・・好き。
自分がいかに単純な男か再確認した彼女の仕草に心臓が暴れる。
いつもは小さくても対等に感じる姿が、今日は見た目通りに小さくか弱く見えてしまって。
いつものクールビューティな彼女もかなり惚れ込んでいるけれど、こうして滅多に見れない女の子な彼女も相当心を奪われる。
なんだろう。
浮気でもしているような気持ちだ。