夫婦ですが何か?
彼女の駆け引きの様な【甘え】に見事はまって欲情して、首筋に唇を這わすと場所を定めて印を残す。
所有印。
俺の物だと示した紅を一か所二個所と続けて残して、体のラインを確かめるように指先を這わせて彼女の服を押し上げる。
あらわになっていく肌にも唇から熱を落として、久しぶりの肌の質感を確かめるように滑らせた手を胸の膨らみまで上昇。
豊満ではなくてもしっかりと柔らかさ感じる感触に馬鹿正直に血が上る。
徐々に吐く息が熱を帯びるのも耳に心地いい。
緩々とお互いに行為に溺れつつあったタイミングにアピールするように鳴った雷。
当然怯んだ彼女がしっかりと俺の服を握り直したのに小さく笑って、彼女からしたら不謹慎にも【可愛い】と更に欲情。
自分のベルトに手をかけて金属触の音をカチャリと響かすと。
「・・・ここで?」
「・・・ソファー上がる?」
「寝室にはベッドという寝具が常備されているんですが?」
「・・・無理、寝室までの移動時間が我慢ならない」
「・・・30秒もかからないんじゃ?」
「もっと言えば・・・ソファーに上がるのも惜しい・・・」
呆れたような眼差しと、何か物申したい感じに開いた彼女の唇を、ニッと笑うとすかさず塞ぐ。
ダメだよ・・・反論なんて受け入れない。
だって・・・だって・・・1年半近くこの時間を待ってたんだよ?
30秒だって、1秒だって、もう待ちたくないんだよ。
「っーーんーーー」
「ーーーーーっはぁ・・・・ヤバッ・・・」
ゾクリと鳥肌が立つ感覚に唇を離し、思わず零れた言葉と苦笑い。
躊躇う事なく彼女と繋がりを持てば、抵抗なくグッと奥まで入り込んだ感覚に目が眩みそうになる。
思わず息を止めてしまいそうなくらいに感じて動悸が激しくて、それでも不動な彼女に理性が働き覗き込む。
「・・・っ・・平気?千麻ちゃん?」
「・・・・まぁ・・」
どこか半信半疑な響きを返した彼女も、戸惑いつつもしっかり感じているらしく。
何より表情は素直に熱を帯びる。
これは・・・・気持ちいいって時の表情。
ちゃんと・・・覚えて理解してるんだよ千麻ちゃん。
そんな彼女の姿を確認できればストッパーもなく体が疼く。
「・・・っ・・・あっ・・ごめ・・・限界・・・動きたい・・・」
「・・・・・『待て』」
これは・・・彼女の意地悪。
『出直し』でなく『待て』は、ただ単に意地悪で焦らしたいだけの。
方眉下げて非難するように覗き込んでの苦笑いに彼女がニッと口の端をあげて。
でもすぐに雷の音にビクッとその身を縮めて俺を引き寄せる。