夫婦ですが何か?
馬鹿だなぁ・・・千麻ちゃん・・・。
「雷より・・・・俺のが断然危険だよ?」
「・・・・・『待て』・・は?」
「そんなの・・・1年半で忘れた、」
ああ、雷がよく響く。
怯んだ彼女とその響きが合図。
欲に忠実に体を揺らせば崩壊。
快楽一色の・・・思考。
「やっ・・・待っーー」
「無理・・・・・」
『待て』はもう無理なんだって千麻ちゃん。
珍しく怯んだ声を上げたのは雷で弱っているせいもあったのか、こんな早々に滅多に崩れない表情がしっかり眉尻を下げて目を細めて。
その表情に躊躇うどころか、すでにもう哀れみより勝る欲情に忠実。
むしろ怯んだ姿が愛らしいと更に高まって行為に溺れる。
カーテンの隙間からパッと光が漏れれば更に眉尻を下げる彼女を抱きしめて、それでも欲には乱れるように熱をあげて。
唇を重ねて貪って、そのまま頬から耳まで熱の余韻を残しながら移動して。
耳朶を甘噛みしたと同時に俺の耳元にも彼女の声が近く弱く響いて震える。
「・・・なん・・か・・・変っ・・・」
「・・・ん?・・・何が?」
困惑して戸惑う様な声音に愛撫をやめるでもなく返答して、乱されて彼女らしくもなく喘ぎながらの必死の現状報告。
「・・・・・・堪えきれない・・」
「・・・ん?」
「雷・・・恐くて・・でも・・気持ちよくて・・・・」
「うん、」
「ど・・しよ・・・・色んな感情で・・・壊れそう・・・」
さすがに少しの驚き。
ここまで彼女が欲に圧されて怯むような姿はまず見ない。
貪欲で欲に溺れてもどこかで理性的な彼女も普段なら残っていて、俺を翻弄することがあってもこんな風に翻弄されることはないのに。
雷による・・・吊り橋効果?
雷で怯んで素になっている彼女は愛欲にもつけ入られて負かされてるって事か?
・・・・・・・・可愛いじゃないか。
貪欲に制する彼女も魅力的だけど・・・・泣きそうなくらい負かされる彼女も悪くない。
そう思ってしまえば・・・・浮上。
本来【S】っ気ある自分の。
だって・・・俺だって・・・・好きな子は苛めたいし、
泣き顔だって見てみたかったりしちゃうんだよ千麻ちゃん。
「・・・・いいよ、・・・怯んでグダグダな千麻ちゃんも大好きだから・・・・・壊れちゃって・・・」
むしろ・・・・どこまで崩れた千麻ちゃんを見れるか・・・興奮する。