出会いと別れの季節
起き上がると、ベッドの横におばあちゃんが座っていた。
私と目が合うなり、にっこり微笑んだ。
「あんた達が無事で、本当に良かった。」
そう言っておばあちゃんは、隣のベッドで
眠っているお姉ちゃんを眺めた。
頭を強く打ったのか、お姉ちゃんの頭には
包帯が何重にも巻かれている。
私が一番軽傷で済んだのかな・・・
おばあちゃんは、私に視線を移すと
私の小さな手を自分のしわしわになった手でそっと優しく包んだ。
「ユミとアミは、良彦と遼子さんが私達に残していってくれた
大切な宝物だよ。」
それだけ言うと、今まで堪えていたのだろう
おばあちゃんの綺麗な瞳から大粒の涙が
こぼれて、私たちの両手にぽたぽた落ちた。