出会いと別れの季節
それから、一週間後・・・
無事、怪我も治り退院した
私たちは、ずっと住んでいた東京を離れて
おじいちゃんとおばあちゃんが住む
奈良で生活することになった。
慣れない田舎暮らしに苦労する日々が続いた。
「虫がいるっおばあちゃーんっ」
「蜘蛛やないか。何もしないよ。」
玄関のドアにへばりつく大きな蜘蛛を見て
わなわな震える私に、おばあちゃんは笑って答える。
「きゃぁ!!おじいちゃん、これどうやって遊ぶの?」
「教えて教えて♪」
物置き場に置いてあったホッピングを前にして
私とお姉ちゃんは、縁側に座っていたおじいちゃんに言う。
すると、おじいちゃんは、無言で立ち上がり
ホッピングに乗って遊び方を教えてくれた。
私達が喜んでいたら、おばあちゃんが走ってきて
おじいちゃんが骨でも折れたらどうするのって
怒られたこともあったっけ?
今となっては、そんなどうでもいいことも
いい思い出です。