出会いと別れの季節
翌朝、目が覚めた私は、お父さんとお母さんの写真が
飾られた仏壇の前にいた。
ゆっくりと体を起こして
ぼんやり滲む瞳をこらして、
瞬きひとつせず、写真だけをみつめた。
「・・・と、さん・・・おか・・・さ、あいたい・・・よ」
聞こえるか聞こえないくらいの小さい声で
つぶやいた。
すると、うしろからグスンという
鼻をすする音がきこえたので、私はバッと振り返った。
そこには、たくさんの大粒の涙を頬に飾った
おばあちゃんが、こちらをみながら立っていた。
「・・・アミ・・・おいで」
そう言っておばちゃんは、その場に静かに座った。
私もおばあちゃんが座ると同時に
おばあちゃんのもとへ駆け寄った。
そして、勢いよくおばあちゃんに抱きついた。
おばあちゃんもさっきよりも喉をひっくひっく
鳴らしながら私の綺麗な黒髪を優しくなでてくれた。
「つらいねぇ・・・くるしいねぇ・・・」
おばあちゃんは、何度も何度も
子守唄のように私に言った。