出会いと別れの季節

ユウカと別れて、1人電車に乗り込んだ私は


近くの空いていた席にちょこんと座った。


深いため息と共に私の前にすっと人影。


ゆっくり見上げるとハアハアと息をきらして


いやらしい目でこちらをみつめる中年の男だった。


顔や体は、ほんのり赤く火照っていて


つり革をもつ右手に力が入っているのか


ぶるぶる震えている・・・



怖くなった私は、あたりをきょろきょろと見回した。


この車両に乗っているのは、私と男だけだった。


私は、ふっと力が抜けてしまった。


不気味さと恐怖と気持ち悪さ・・・


変な気持ちになりながら隣の車両に移ろうと


席を立ったときだった。


電車がゴトンと動いて私は、男の胸にぶつかった。
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