出会いと別れの季節
気持
床で横になってうずくまってる男は、車掌さんが
連れて行ってくれた。
そのあと、私とユウマはイスに座った。
「ほんま大丈夫か?」
心配げな表情でユウマが言う。
「うん!もう大丈夫!」
ユウマの曇っていた表情が、ぱっと明るくなった。
「俺、今になって手ぇ震えてきた。」
ユウマは、自分の大きな手を見ながら微笑んだ。
私は可笑しくなって一緒に笑った。
偶然下車する駅が一緒だった私達は、
途中まで一緒に帰ることになった。
外はもう夕方・・・。
私とユウマは、横になって歩く。
ユウマは、制服のズボンのポケットから自転車のカギを取り出す。
「俺、チャリやねんなぁ。相沢は?」
「私は歩きなんだ~。」
「んじゃ、俺家まで乗せてったるし。」
「え!?いいよいいよ!家近いもん。」
私は首を大きく横にふった。