出会いと別れの季節

私の長い赤髪は、シャンプーの香りを漂わせてなびいていた。


「次は、右?左?」


ユウマの問いかけに私は、クイズに答えるような感覚で即答する。


「右~ぃ!!」


「おっし!」


私は、このときユウマの優しさを感じていた。


電車で男に襲われた私を助けてくれた事、


たくさんの笑顔をくれた事、


学校で優しく話しかけてくれた事、


心配してくれる事、


こうやって家まで送ってくれる事・・・



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