出会いと別れの季節
本当に時間が経つのは早かった。
お姉ちゃんが乗る新幹線がもうすぐ到着する時間だ。
「じゃあ、いってくるね!おじいちゃん、おばあちゃん
泊めてくれてありがとう!」
急ぎ足で大きな荷物を抱えて飛ぶように玄関へ
向かうお姉ちゃん。
ハイヒールに小さな足をぎゅっとつめこんで
ふりかえったお姉ちゃんの目は、まぶしかった。
私のほうをみて笑顔で言った。
「・・・アミ、話聞いてくれてありがとう。」
そのとき私は、お姉ちゃんの顔をまともに見れずにいた。
それだけ言うとお姉ちゃんは、小走りで玄関のドアを開けた。
そして、もう振り返らずにパタンとドアを閉めた。
だって、あの時お姉ちゃんの顔を見ていたら
私も泣きそうだったんだもん・・・
お姉ちゃん、泣いてたから・・・